こんにちは!
KEN(@nomilenolife)です。
本ブログでは、鉄道・航空などの公共交通や、移動が快適になるサービスに関する情報などを、「旅行・出張」というカテゴリーの記事でご紹介しています。
新幹線や飛行機のおかげで、現在の移動は昔に比べて格段に速く、短時間で目的地へ行くことができますよね。
しかし、毎日せわしなく時間が過ぎていく現代の暮らしの中で、逆に「長く時間をかけてゆったりと旅をしたい」などと思うときもありませんか?
そんなときにおすすめの移動手段が「寝台列車」です。
本記事では、そんな寝台列車の1つであるサンライズエクスプレスについて、ご紹介していきたいと思います。
寝台列車とは?
質問ですが、あなたは寝台列車に乗った経験はありますか?
現代では、新幹線や飛行機・高速バスなどが主要な移動手段のため、馴染みの薄い存在になりつつあると思います。
寝台列車とは、夜行バスのように乗ることができるJRの長距離列車のことです。
私が学生時代を過ごした北海道の札幌では、下記の寝台特急および急行が定期的に運行されていました。
・はまなす(札幌~青森)
・北斗星(札幌~上野)
・カシオペア(札幌~上野)
・トワイライトエクスプレス(札幌~大阪)

しかし、現在は以下の理由などから、札幌発着の寝台列車はすべて廃止されています。
・車体の老朽化
・北海道新幹線の開業による青函トンネルの電圧変化
・新幹線や飛行機への旅客需要のシフト
このほかにも「日本海」や「はやぶさ」など、以前は東北から九州までの全国各地で運行されていましたが、今はほぼすべて廃止されています。
そんなことはありません。
唯一定期運行している寝台列車が、次にご紹介するサンライズエクスプレスです。
サンライズエクスプレスとは?
サンライズエクスプレスは、以下2つの列車の総称のことです。
・サンライズ瀬戸(東京~高松)
・サンライズ出雲(東京~出雲市)
これら2つの列車は、過去に走っていた寝台特急「瀬戸」と「出雲」(走行区間はサンライズエクスプレスと一緒)をリニューアルした列車で、1998年から運行されています。
当時「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」のように、食堂車などが連結された、いわゆる豪華寝台列車以外の寝台特急は衰退の一途をたどっていました。
それは、相次ぐ新幹線の開業や、飛行機への需要シフトが激しくなったからです。
そのほか、人々の移動形態の変化も関係しています。
【寝台列車】
4名がけの開放B寝台などで、偶然同じ列車になった人と交流したりできる。
【現代の移動ニーズ】
盗難などの防犯対策やプライバシーが重要視される。
このような変化により、次第に寝台列車のニーズは時代に合わないものへとなっていきました。
それでも、「瀬戸」と「出雲」はほかの寝台特急に比べ、比較的高い乗車率を維持していました。
そこで、航空機などの輸送機関に対抗できる可能性があるとJRが判断し、車両をリニューアルすることになりました。
現在のサンライズエクスプレスに使用されている285系電車は、以下を受賞しています。
グッドデザイン金賞とブルネル奨励賞(1998年)
第42回鉄道友の会ブルーリボン賞(1999年)
ここまで、サンライズエクスプレスや往年の寝台特急について説明してきました。
次章では、実際に「サンライズ瀬戸」に乗車したときの写真や感想を紹介していきたいと思います!
列車内の様子
私が利用したのは、9号車の「シングルB寝台」になります。

それでは早速、高松から東京行きの「サンライズ瀬戸」に乗りましょう。

中国・四国地方の行き先が並ぶ中に浮かぶ「東京」の文字は、旅情を誘いますね。
ここから、車内を散策していきましょう。
個室のシングルの様子はこのような感じで、一人で寝るのには問題ない広さが確保されています。
寝台の鍵はデジタルロック式で、自身で任意の番号を設定して施錠する形式となっています。

また、列車には下の写真のようなノビノビ座席というシートも用意されており、個室ではないものの簡易的に寝ることができる車両も連結されています。

こちらの車両は、サンライズ瀬戸・サンライズ出雲にそれぞれ1両ずつ連結されており、個室の寝台料金に比べて割安で乗車することができます。
という方などにおすすめです。
そのほか、列車内にはラウンジスペースなどもあり、車窓を見ながら物思いにふけったり、同乗者と談話を楽しむことができます。

また、列車内にはシャワー室もあるため、汗を流すこともできます。
シャワー室を利用するためには、まずは列車内に設置されている券売機で販売されているシャワーカードを購入します。

シャワールームにタオルは備えつけられていないため、寝台列車内でシャワーを利用したい場合は、各自であらかじめ乗車前などに用意しておく必要があります。
また、シャワーカードの販売は先着順なので、利用したい方は早めに購入しましょう!
高松を出ておよそ1時間が経った夜の22時30分頃、岡山駅に着きます。
岡山駅では、出雲市からやってきた「サンライズ出雲」と合流して、東京を目指します。

その後、深夜0時30分頃に大阪駅にも停車します。
深夜にもかかわらず、以下の理由から大阪駅からの乗客は意外と多いです。
・新幹線や飛行機の最終電車に比べ、かなり遅い時間に出発する。
・新大阪や伊丹空港まで移動する必要がない。
大阪・梅田の中心部で遅くまで飲み食いをしても、そのまま大阪駅から列車に乗って、寝れば翌朝に東京へ着くことができます。
このような使い勝手の良さから、ビジネスマンの思わぬ需要が大きいのだろうと考えられます。
そして翌朝の7時過ぎには、無事終点の東京駅へ着きました。
これで、サンライズ瀬戸号の旅は終了です。
時刻表
参考までに、「サンライズ瀬戸・出雲」の時刻表を掲載します。
上り(東京行き)
停車駅
サンライズ瀬戸
サンライズ出雲
高松
発
21:26
坂出
発
21:44
児島
発
22:01
出雲市
発
||
18:51
宍道
発
||
19:06
松江
発
||
19:27
安来
発
||
19:45
米子
発
||
19:56
新見
発
||
21:20
備中高梁
発
||
21:48
倉敷
発
||
22:14
岡山
着
22:23
22:30
発
22:34
姫路
発
23:35
三ノ宮
発
0:13
大阪
発
0:34
浜松
発
レ
静岡
発
4:40
富士
発
5:10
沼津
発
5:27
熱海
発
5:45
横浜
発
6:45
東京
着
7:08
下り(高松・出雲市行き)
停車駅
サンライズ瀬戸
サンライズ出雲
東京
発
22:00
横浜
発
22:24
熱海
発
23:23
沼津
発
23:40
富士
発
23:54
静岡
発
0:20
浜松
発
1:12
大阪
発
レ
三ノ宮
発
レ
姫路
発
5:26
岡山
着
6:27
発
6:31
6:34
倉敷
発
||
6:47
備中高梁
発
||
7:14
新見
発
||
7:44
米子
発
||
9:05
安来
発
||
9:14
松江
発
||
9:31
宍道
発
||
9:46
出雲市
着
||
9:58
児島
発
6:53
坂出
発
7:10
高松
着
7:27
まとめ
停車駅 | サンライズ瀬戸 | サンライズ出雲 | |
高松 | 発 | 21:26 | |
坂出 | 発 | 21:44 | |
児島 | 発 | 22:01 | |
出雲市 | 発 | || | 18:51 |
宍道 | 発 | || | 19:06 |
松江 | 発 | || | 19:27 |
安来 | 発 | || | 19:45 |
米子 | 発 | || | 19:56 |
新見 | 発 | || | 21:20 |
備中高梁 | 発 | || | 21:48 |
倉敷 | 発 | || | 22:14 |
岡山 | 着 | 22:23 | 22:30 |
発 | 22:34 | ||
姫路 | 発 | 23:35 | |
三ノ宮 | 発 | 0:13 | |
大阪 | 発 | 0:34 | |
浜松 | 発 | レ | |
静岡 | 発 | 4:40 | |
富士 | 発 | 5:10 | |
沼津 | 発 | 5:27 | |
熱海 | 発 | 5:45 | |
横浜 | 発 | 6:45 | |
東京 | 着 | 7:08 |
停車駅 | サンライズ瀬戸 | サンライズ出雲 | |
東京 | 発 | 22:00 | |
横浜 | 発 | 22:24 | |
熱海 | 発 | 23:23 | |
沼津 | 発 | 23:40 | |
富士 | 発 | 23:54 | |
静岡 | 発 | 0:20 | |
浜松 | 発 | 1:12 | |
大阪 | 発 | レ | |
三ノ宮 | 発 | レ | |
姫路 | 発 | 5:26 | |
岡山 | 着 | 6:27 | |
発 | 6:31 | 6:34 | |
倉敷 | 発 | || | 6:47 |
備中高梁 | 発 | || | 7:14 |
新見 | 発 | || | 7:44 |
米子 | 発 | || | 9:05 |
安来 | 発 | || | 9:14 |
松江 | 発 | || | 9:31 |
宍道 | 発 | || | 9:46 |
出雲市 | 着 | || | 9:58 |
児島 | 発 | 6:53 | |
坂出 | 発 | 7:10 | |
高松 | 着 | 7:27 |
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、日本国内を定期運行する寝台特急で唯一残っている「サンライズエクスプレス」についてご紹介してきました。
2020年現在、臨時ではありますが下記のような豪華寝台列車が運行されています。
・ななつ星(JR九州)
・四季島(JR東日本)
・トワイライトエクスプレス瑞風(JR西日本)
しかし、これらの列車は豪華な旅行向けのため、いずれも値段が高く切符もなかなか取れないプレミアチケットとなっており、気軽な旅とはちょっと違いますよね。
このようなときに、サンライズエクスプレスは上記の豪華寝台列車に比べるとリーズナブルに乗車できるため、おすすめの列車となっています。
また、古き良き時代を懐かしみたい方はもちろん、昔の人はどのような手段で移動していたのかなどを知りたい方にとっても、この列車に乗って得られるものはあると思います。
ただ、新しい寝台特急とはいえ、デビューから20年は経過しています。
そのため、サンライズエクスプレスもいつ臨時化や廃止の動きがあっても不思議ではありません。
そのほか、過去に乗った人などがいましたら、ご意見やコメントもお待ちしております。
それでは皆さん、良い旅を~。