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【受験生から大人まで】赤本のはしがきは人生の指針

赤本のはしがき

こんにちは!

KEN(@nomilenolife)です。

本ブログでは、受験や進学に関する情報および人生に付加価値を与えるような情報を、「受験・+More」というカテゴリーの記事でご紹介しています。

本記事では、大学受験を経験した人なら誰しも手にしたことのある「赤本」についてご紹介します。

もちろん、過去問の傾向や対策といった一般的な話ではなく、赤本をめくってすぐのページにある「はしがき」についてです。

赤本とは

はじめに、赤本について簡単にご紹介します。

赤本とは

赤本は、教学社が発行している大学・学部別の大学入試過去問題集、大学入試シリーズの通称である。

創刊後しばらくは表紙の色も青色や紫色など大学ごとに異なっており統一されてはいなかった。

「赤本」の呼称は、1964年に表紙の色が朱色に統一されてから受験生の間で定着したものであり、ウェブサイトのドメイン名も「akahon.net」となっている。

なお中学・高校入試シリーズの赤本を発行しているのは英俊社で、出版社が異なる。

(Wikipedia「赤本(教学社)」より)

このように、長きにわたり大学受験の過去問題集を受験生などに提供しています。

KEN
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大学ごとの問題傾向を知り、対策する上で必要不可欠なアイテムです。

そのほか、駿台予備校が出版する難関大学向けの過去問題集は「青本」と呼ばれています。

人生の指針に!赤本のはしがき

過去問による大学受験対策はもちろん、赤本には人生の指針になる至言が載っています。

それは、表紙をめくってすぐのところにある「はしがき」です。

はしがきの内容は、年度ごとに異なります。

同一年度であれば、どの大学の赤本もはしがきの内容は同じです。

本記事では、個人的に印象的な内容だった「はしがき」を、3つご紹介します。

2012年受験用の赤本

はじめにご紹介するのは、「2012年受験用の赤本」に掲載されていたはしがきです。

KEN
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全文は長くなるため、一部抜粋でご紹介します。

2010年12月にNASAなどの研究チームが科学雑誌「サイエンス(電子版)」で、ヒ素を食べるバクテリアを発見したことを発表し、話題になった。NASAが加わった研究チームだけに、発表予告を聞き、地球外生命の発見かという憶測も流れたようである。このバクテリアが採取されたアメリカ合衆国カリフォルニア州のモノ湖は、アルカリ性で高濃度の塩分や有毒物質を多く含んでおり、一般的な生物にとってきわめて過酷な環境のようである。研究グループは、生体分子に不可欠とされるリンの希少な環境下でこのバクテリアを増殖させることに成功したこと、さらにバクテリアが自身のDNAにリンの代替としてヒ素を取り込んでいたことを発表している。

何と言っても、ヒ素が地球上の多くの生物にとって有毒であるということを知っているだけに、この研究発表には専門家でなくとも興味をひかれる。しかし、このことから教えられる重要な点は、常識や事実というものが一定の状況や仮説の下に言われているにすぎないということである。

われわれを取り巻く自然や人間の活動はきわめて複雑多様であり、調査、分析、解明していく課題は無限にある。例えば、地球環境や気象、物質や生命のしくみ、各国の政治・経済・社会の諸制度、あるいは文学・美術・音楽などの文化や芸術にも、一面だけでは理解できないこと、もっと深く知りたいことが溢れている。そういった環境において、人が「学ぶ」ということは、教えられることを鵜吞みにせず、常識や仮説の表皮を一枚ずつはがし、疑問を解き、好奇心を満たそうとすることではないだろうか。

このはしがきには、以下のようなことが込められていると考えられます。

物事をある場面・観点から見たときには常識や事実であることが、異なる立場や仮説の下では覆ることがある。

好奇心を満たすとは、複雑多様な自然・人間活動の一面を見るのではなく、奥深く知るために疑問を抱き、検証していくことである。

まさに、大学で学ぶこと・研究に取り組むことの意義が記載されています。

2017年受験用の赤本

次にご紹介するのは、「2017年受験用の赤本」に掲載されていたはしがきです。

KEN
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こちらも、一部抜粋でご紹介します。

大学入試の季節が近づいてきた。寒い雪の日の朝、電車の中で受験生と思しき若者が単語帳を開いているのを見るにつけ、もうかれこれ数十年前になるが、かつて自分が受験生だったときの姿を重ねてしまう。

高校3年生の冬、受験に失敗した。後で振り返ると、漫然と塾や予備校に通い、基礎もできていないのにレベルの高い参考書に手を出し、やった気になっていた。実際はたいして勉強していないのに、根拠のない自信と慢心があって、案の定それはもろくも打ち砕かれた。大学で何をやりたいのかさえはっきりしないまま、よく考えずに志望校を決めていた。

浪人して改めて自分を見つめ直し、多くの本を読んだ。1年間の計画をしっかりと自分で組み立てたいと考え、自宅浪人の道を選んだが、思い返せば、悶々ともがき苦しみ、天井を眺めてはのたうち回るような日々であった。自分を見失い、自堕落な毎日をすごすこともあったが、試行錯誤の中でなんとか目標を見定め、少しずつ自分のペースをつかめるようになっていった。

受験当日のことはほとんど覚えていないが、手応えはあったものの、自信があるというわけではなかった。合格発表の日もすぐに見に行く勇気がなく、行ったときには既に掲示板のまわりは閑散としていたが、張り出されていた小さな紙に自分の受験番号を見つけたとき、しばらくその場に立ちつくして離れることができなかった。

大学受験はあくまでも人生における通過点にすぎず、それ自体が目的ではないのだが、受験を通して身についたこと、学んだことはもちろん、様々な努力と試行錯誤を重ねた経験は、将来なんらかの形で人生の支えとなるかもしれない。雪の日に受験生を見かけるたびに、もう一度やり直せと言われてもできないような濃密な日々を懐かしく思い出すのである。

このはしがきには、以下のようなことが込められていると考えられます。

大学受験に失敗した編者は自宅浪人の道を選んだが、その過程は苦しく自分を見失うこともあった。

そのような時間の中でもがき苦しみ、幾多もの努力や試行錯誤を重ねた経験は、何かしらの形でその人の人生を支える糧になるのではないか。

まさに、長く険しい道のりである受験勉強に向き合うことで、学力など表面的な成長だけでなく、人生の礎となる本質的に学び得られることが記載されています。

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2021年受験用の赤本

最後にご紹介するのは、「2021年受験用の赤本」に掲載されていたはしがきです。

KEN
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他と同様に、一部抜粋でご紹介します。

2021年度入試では、従来のセンター試験に代わって「大学入学共通テスト」が導入されるなど、大学入試制度が大きな変革のときを迎えます。それに加えて、世界中を未曾有のウイルス禍が覆い、中には、満足に学校にも通うことができないような状況もあって、多くの受験生が、大きな不安を抱えながら、大学受験という関門に挑まなければならない状況にあります。

とはいえ、その状況は、受験生みな同じですので、ただ嘆いてばかりいても仕方がありません。どんな状況においても、自らの意志で黙々と努力を重ねることができるか、日々ひとつひとつ目標に向かって着実に成長していけるかどうかが大きく結果を分けます。結局のところ、受験生の毎日は自分との闘いと言えます。置かれた環境下で自分自身を冷静に見つめることができてこそ、今までの自分を超える道が拓けます。

努力は必ず報われるとはかぎりません。しかし、努力なしに大きな結果が得られることもまたありません。偉大な細菌学者として知られる、野口英世は、「誰よりも三倍、四倍、五倍勉強する者、それが天才だ」と語ったと言われています。天才とは、努力をせずとも才能に恵まれている人だと思われがちですが、天才と言われる人ほど、陰日向なく膨大な試行錯誤を続けており、その中で無数の失敗を重ねるうちに、それまで誰もたどりつかなかったような境地に達することができるのです。毎日努力していても、なかなか報われないことがあるかと思いますが、それはまだ機が熟していないだけかもしれません。回り道も時には必要ですし、その時は無駄のように思えた努力も、後になって実を結ぶこともあります。

勉強した内容のほとんどは、将来忘れてしまうものかもしれません。しかし、受験を経験することによって、自分の精神の根底に残っていく確信のようなものがきっとあるはずで、それはその後の人生を生きていく上で少なからぬ力になります。

このはしがきには、以下のようなことが込められていると考えられます。

世の中の状況が激変するような状況下でも、黙々と努力を重ね、目標に向かって着実に成長できるかが大きく結果を分ける。

受験勉強は自分との闘いであり、置かれた環境で自分自身を冷静に見つめることができたとき、今までの自分を超える道が拓かれる。

共通テストへの移行や疫病の流行などが重なり、未曾有の危機・状況であったとしても、「本質的な勉強への向き合い方、既存の自分を超えるために必要な視点」は不変ということですね。

KEN
KEN
受験生だけでなく、大人にとっても学び得る知見が多い至言ではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、大学受験を経験した人なら誰しも手にしたことのある「赤本」を対象としました。

中でも、めくってすぐのページに記載されている「はしがき」について、印象的な文章・至言を3つご紹介しました。

その結果、以下のことが明らかとなりました。

赤本のはしがきには、編者から受験生に向けた有益なメッセージが記載されている。

受験のほろ苦い記憶、科学的な新発見、人生において不変な価値観など内容は多岐にわたる。

受験生だけでなく、大人にとっても人生の指針として参考になる至言が多い。

不安や重圧と隣り合わせの中で、志望校合格という目標に向かって突き進む大学受験の経験は、長い人生の中で貴重な機会です。

そのときは無我夢中で努力しており、赤本の冒頭にある「はしがき」を見る余裕などない受験生も多いかもしれません。

しかし、大人になってから読み返すと、その文章に書いてあることのありがたみや、学ぶ意義というものが理解できたりします。

多くの大人が、学生時代にもっと勉強しておけばよかったと後悔します。

学ぶことは何歳からでも可能ですが、時計の針は二度と巻き戻すことはできません。

受験において、偏差値の高低や学歴のブランドイメージなどで志望校を選ぶことも悪いことではありません。

しかし、長い視点で人生を考えたとき、大学生活はたったの4年や6年のことです。

そこをゴールに勉強するのではなく、一人でも多くの人が、「本質的に学びたいこと」を意識しながら目の前の日常を過ごしていくことが、編者らの願いなのかもしれませんね。