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KEN(@nomilenolife)です。
本ブログでは、受験や進学に関する情報および人生に付加価値を与えるような情報を、「受験・+More」というカテゴリーの記事でご紹介しています。
本記事では、2022年4月に既存の大阪市立大学と大阪府立大学が合併して開校予定の新大学、「大阪公立大学」の偏差値(2022年・前期日程)と高校別合格者数(2021年)をご紹介します。
大阪公立大学とは?
大阪公立大学(Osaka Metropolitan University)は、2022年4月に開校予定の大学です。
最初に大阪公立大学は英語名称を「University of Osaka」と掲示していましたが、大阪大学(Osaka University)から似つかわしいとして再考を求められた結果、上記の英語名称に決定したそうです。
既存の大阪市立大学と大阪府立大学が合併し、12の学部・学域を擁する大規模な公立大学となる見込みです。
①現代システム科学域
②文学部
③法学部
④経済学部
⑤商学部
⑥理学部
⑦工学部
⑧農学部
⑨獣医学部
⑩医学部
⑪看護学部
⑫生活科学部
大阪公立大学の出身高校
大阪公立大学は、どのような高校から学生が集まるのでしょうか?
参考として、2021年大学入試における大阪市立大学と大阪府立大学を合算した高校別合格者数をご紹介します。

順位 | 高校 | 合格者数 |
1 | 三国丘 | 85 |
2 | 高津 | 72 |
3 | 大手前 | 68 |
4 | 天王寺 | 57 |
5 | 生野 | 56 |
大阪南部の進学校である三国丘高校を筆頭に、大阪の文理学科設置校や奈良の進学校がランクインしています。

大阪公立大学の合格率
続いて、大阪公立大学の合格率はどれくらいなのでしょうか?
ここでは、大阪公立大学にたくさんの生徒が受験し、それなりの合格実績をあげる2つの高校の例を取り上げたいと思います。
大手前高校の場合
1つ目は、大阪の文理学科設置校で、前章のランキングで第3位にランクインした「大手前高校」です。
「大手前高校・2021年度進路の手引き」によると、大手前高校の2021年大学入試における大阪市立大学と大阪府立大学を合算した合格率は以下の通りです。

現役合格率は、3割強となっています。
一方、浪人生の合格率は5割程度と高い水準ですが、全体の合格率は4割未満です。
豊中高校の場合
2つ目は、大手前高校と同様に大阪の文理学科設置校である「豊中高校」です。
「進路資料3年生用-大学受験の統計資料-2020年」によると、豊中高校の2020年大学入試における大阪市立大学と大阪府立大学を合算した合格率は以下の通りです。

現役合格率は、3割弱となっています。
一方、浪人生の合格率は6割程度と驚異的な水準ですが、全体の合格率は3割未満です。
このように、ほとんどの学生が大学進学を目指す学校であっても、受験者全体の3~4割程度しか合格できないのが現実です。
優れた合格実績の高校でも、その背景には浪人もしくは関関同立などへ妥協する大量の不合格者がいることを意識しましょう。
大阪公立大学の偏差値
最後に、大阪公立大学の偏差値はどれくらいなのでしょうか?
河合塾が2021年5月28日に発表した「入試難易予想ランキング表」を参考に、学部・学域ごとにまとめていきたいと思います。
現代システム科学域
学科・専攻 | 共通テスト(%) | 2次偏差値 |
環境社会システム(英・国型) | 75 | 55 |
環境社会システム(理・数型) | 74 | 55 |
教育福祉 | 74 | 55 |
心理(英・国型) | 76 | 60 |
心理(理・数型) | 76 | 55 |
英・数型 | 74 | 55 |
英・国型 | 75 | 55 |
英・小論型 | 75 | 57.5 |
理・数型 | 75 | 55 |
現代システム科学域では、共通テストは75%前後、2次偏差値は55.0~60.0となっています。
一見偏差値が高いのは、2次試験の科目数が1~2科目と軽量なためです。
文系学部
学科・専攻 | 共通テスト(%) | 2次偏差値 |
文 | 78 | 60 |
法 | 77 | 60 |
経済 | 76 | 57.5 |
商 | 76 | 57.5 |
文系学部(文・法・経済・商)の4つでは、文学部の難易度が最も高く、次いで法学部と続いています。
経済学部・商学部がやや入りやすくなっているのは、2次試験の科目数が違うためです。
2次試験の科目数は、学科・専攻により異なります。
経済学部・商学部:3科目
理学部
学科・専攻 | 共通テスト(%) | 2次偏差値 |
数学 | 74 | 55 |
物理 | 75 | 55 |
化学 | 75 | 55 |
生物 | 74 | 55 |
地球 | 74 | 55 |
生物化学 | 74 | 55 |
理学部では、共通テストが74~75%・2次偏差値はいずれも55.0となっています。
2次試験では4科目が課されるため、文系学部などよりは負担が大きそうです。
工学部
学科・専攻 | 共通テスト(%) | 2次偏差値 |
航空宇宙 | 76 | 57.5 |
海洋システム | 71 | 52.5 |
機械 | 75 | 57.5 |
建築 | 76 | 57.5 |
都市 | 74 | 55 |
電子物理 | 75 | 55 |
情報 | 76 | 57.5 |
電気電子システム | 75 | 55 |
応用化学 | 74 | 55 |
化学 | 74 | 55 |
マテリアル | 74 | 55 |
化学バイオ | 74 | 55 |
工学部では、ほとんどの学科で共通テスト75%前後、2次偏差値55.0~57.5となっています。
2次試験は、理学部と同様4科目が課されます。
農学部
学科・専攻 | 共通テスト(%) | 2次偏差値 |
応用生物科学 | 74 | 55 |
生命機能化学 | 74 | 55 |
緑地環境科学 | 73 | 55 |
農学部は、いずれの学科も共通テスト75%未満・2次偏差値が55.0となっています。
そのほか、2次試験は4科目が課されます。
医療系学部
学科・専攻 | 共通テスト(%) | 2次偏差値 |
獣医 | 84 | 60 |
医 | 88 | 67.5 |
理学療法学 | 73 | 55 |
作業療法学 | 71 | 52.5 |
看護 | 73 | 57.5 |
医療系学部の3つ(獣医・医・看護)では、獣医学部と医学部が共通テスト・2次偏差値ともに高い難易度となっています。
一方、保健系の学科はいずれも入試の負担は軽く、受験生にとって目指しやすいのではないでしょうか。
2次試験の科目数は、学科・専攻により異なります。
理学療法・作業療法:1科目
看護:2科目
生活科学部
学科・専攻 | 共通テスト(%) | 2次偏差値 |
食栄養(均等型) | 76 | 57.5 |
食栄養(理数重点型) | 76 | 57.5 |
居住環境 | 75 | 57.5 |
人間福祉 | 75 | 57.5 |
看護 | 73 | 57.5 |
生活科学部も、他の学部と同様に共通テスト75%前後・2次偏差値は57.5となっています。
2次試験の科目数は、学科・専攻により異なります。
居住環境・人間福祉:2科目
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、2022年春に開校予定の「大阪公立大学」について、高校別合格者数、合格率、学部・学域ごとの偏差値をご紹介してきました。
その結果、大阪公立大学へは関西圏の有名進学校からの合格者が多い一方、その背景には数多くの不合格者がいることもわかりました。
このように、難関国立大学ほど難しくはないものの、大阪公立大学の入試はそれなりに厳しい世界となっています。
そして、関西圏には京都大学や大阪大学など、大阪公立大学よりも研究力・資金力のある大学があります。
そのような激戦区の中で、大阪公立大学が優秀な学生を集めて優れた成果をあげていくのか、はたまた現状維持となってしまうのか、今後の動向に注目ですね。