受験・+More

【南北2強】大阪公立文理学科10校の歴史や大学合格実績

大阪公立高校文理学科

こんにちは!

KEN(@nomilenolife)です。

本ブログでは、受験や進学に関する情報および人生に付加価値を与えるような情報を、「受験・+More」というカテゴリーの記事でご紹介しています。

本記事の内容

北大時代の同級生には、北野や豊中・天王寺など大阪の公立進学校出身の人がいました。

話を聞くと、大阪の公立進学校には「文理学科という学科があり、難関大学への合格者数が伸びていることがわかりました。

文理学科設置校の歴史的背景や大学合格実績をご紹介します。

文理学科とは?

はじめに、2011年に大阪の公立高校に設置された「文理学科」についてご紹介します。

文理学科とは、大阪府内の公立進学校から生徒のより高い進路実現を図るために、橋下徹元大阪府知事が改革を進めて導入した学科になります。

KEN
KEN
それまでの大阪府内の進学校は、理数科や普通科でした。

対象となる高校は以下の10校になります。

・北野高校
・豊中高校
・茨木高校
・大手前高校
・四條畷高校
・高津高校
・天王寺高校
・生野高校
・三国丘高校
・岸和田高校

簡単に、文理学科設置校の沿革をご紹介します。

【2011年】
文理学科第1期生が入学(各校に文理学科と普通科が併設)

【2016年】
北野高校と天王寺高校が文理学科のみの募集に

【2018年】
その他8校も文理学科のみの募集に

大阪の高校入試は、2015年まで「前期・後期」で募集していました。

文理学科は前期で募集されていたため、後期の普通科でも再度進学校を受験するチャンスがありました。

その後、前期・後期が一本化された2016年以降は、文理学科が不合格の場合、同一高校内の普通科へまわし合格を希望することができました。

そのため、当時の高校入試では文理学科の倍率が34になることもありました。

KEN
KEN
もはや大学入試より高倍率ですね(笑)

文理学科のみの募集になったことで受験校が限られたため、倍率こそ落ち着いていますが、依然としてその人気は高いです。

参考までに、2020年3月に実施された高校入試における、文理学科設置校の倍率を高い順にご紹介します。

学校 倍率
豊中 1.68
高津 1.51
三国丘 1.5
茨木 1.48
四條畷 1.48
大手前 1.42
岸和田 1.32
生野 1.31
北野 1.3
天王寺 1.14

豊中高校や高津高校といった、2番手校だけどそれなりの合格実績をあげている高校の人気が目立ちます。

一方、北野高校と天王寺高校は最難関の争いとなることから、自信のある受験生以外はやや敬遠する傾向にあるのでしょうか。

 

文理学科設置校の偏差値

文理学科設置校に合格するのはどのくらい難しいの?

各校の偏差値を下記にまとめました。

偏差値 学校
75 北野
74 天王寺
73
72 茨木
三国丘
大手前
71
70
69 高津
四條畷
豊中
68 岸和田
67 生野

(リセマム・大阪府 高校偏差値一覧 2019年度 公立校より)

このように、文理学科設置校の偏差値は60後半~70前半ほどとなっており、難易度はそれなりに高いです。

なかでも、北野高校と天王寺高校の偏差値は突出しており、大阪の「キタ」と「ミナミ」を2分する南北2強状態となっていることがわかります。

文理学科設置校の難関国立大学合格実績

続いて、文理学科第1期生が卒業した2014年と、最新の2020年の各校の難関国立大学への合格実績を見ていきましょう。

難関国立大学合格実績(2014年)

東大 京大 阪大 神戸大 北大 東北大 名大 九大 一橋大 東工大 総計
北野 8 71 67 35 7 1 1 1 1 0 192
天王寺 3 47 47 39 7 0 1 1 1 0 146
茨木 0 20 57 41 7 0 0 1 0 0 126
大手前 4 29 51 26 5 1 0 1 0 0 117
三国丘 3 28 43 29 6 2 3 0 0 0 114
四條畷 0 14 36 34 6 0 0 0 0 0 90
豊中 0 6 39 31 3 1 1 1 1 1 84
生野 0 5 37 14 6 2 0 2 0 0 66
高津 0 7 24 25 3 1 0 0 0 0 60
岸和田 0 4 33 10 2 0 1 0 0 0 50

(平成26年度 大阪府グローバルリーダーズハイスクール評価審議会より)

大阪公立高校の進学実績

難関国立大学合格実績(2020年)

東大 京大 阪大 神戸大 北大 東北大 名大 九大 一橋大 東工大 総計
北野 11 100 53 36 9 2 1 3 2 1 218
天王寺 3 77 52 41 8 3 4 1 0 0 189
茨木 2 25 69 37 3 3 2 2 0 3 146
大手前 3 19 53 38 4 1 0 1 4 0 123
豊中 0 6 57 33 6 1 2 3 1 0 109
三国丘 3 15 38 36 4 0 1 0 1 0 98
四條畷 1 8 36 37 3 0 1 0 0 1 87
高津 0 10 31 34 1 1 0 4 0 0 81
生野 0 5 31 13 3 1 1 2 0 1 57
岸和田 0 1 15 8 1 0 1 0 0 0 26

(週刊朝日2020年4月17日号より)

大阪公立高校の大学進学実績

難関国立大学合格実績の増減

文理学科設置校全体での大学合格実績がどれほど変化したのかを、2020年と2014年の実績値から比べてみましょう。

難関大合格実績の増減
東大 京大 阪大 神戸大 北大 東北大 名大 九大 一橋大 東工大 総計
2014 18 231 434 284 52 8 7 7 3 1 1045
2020 23 266 435 313 42 12 13 16 8 6 1125
増減 5 35 1 29 -10 4 6 9 5 5 89

難関国立大学への合格者数の総数は、文理学科全体で89名増加しました。

2014年と比べて、大阪大学の合格者数はほぼ変わっていませんが、京都大学や神戸大学の合格者数は一定数増えており、それなりの成果を出せたのではないでしょうか。

ここで、「京都大学・大阪大学・神戸大学」の3大学に対し、以下の項目について「箱ひげ図」と「散布図でも考察してみましょう。

・合格者数の分布

・偏差値と合格者数の相関

大学合格者数の分布 偏差値と大学合格者数の相関
考察

【京都大学】
合格者数の中央値は12.5名で、上位校と下位校での振れ幅が非常に大きい。散布図の決定係数は0.74と、偏差値と合格者数にやや相関があった。このことから、京都大学に合格できる学力層は文理学科設置校でも北野・天王寺など一部に偏っているのではないかと考えられる。

【大阪大学】
合格者数の中央値は45名で、各校からバランスよく合格者が出ている。京都大学ほどの偏りは見られない。また、散布図の決定係数は0.40と、偏差値と合格者数にあまり相関は見られない。このことから、文理学科設置校へ入学後は、本人の努力次第で十分に合格を狙えると考えられる。

【神戸大学】
合格者数の中央値は36名で、大阪大学と同様に各校バランスよく分布しており、極端な偏りは見られない。散布図の決定係数は0.49と、大阪大学と同様に偏差値と合格者数の相関は見られなかった。このことから、神戸大学もどの文理学科設置校からでも、本人の努力次第で合格を狙えるのではないだろうか。

このように、京都大学への合格実績では「北野高校」と「天王寺高校」が他を圧倒して驚異的な合格者数を記録しており、南北2強状態であることがわかります。

これら2校は2016年より先行して「文理学科一本化」が実施されたとはいえ、全盛期時代並みの実績をたたき出しています。

大阪の公立校が京都大学の合格者数で第1位・第2位を飾るのは約40年ぶりの快挙だそうです。

一方、大手前高校や三国丘高校・四條畷高校など旧9学区制時代のトップ校は、以前と比べて京都大学などの合格者数を減らしており、北野・天王寺の2校に上位層を吸い取られていることがわかりました。

それでは、なぜこのような事態が起きているのか、次の章で見ていきましょう。

学区撤廃による特定校への一極集中化

このような事態の原因としては、「学区撤廃」が大きく関与している可能性が考えられます。

大阪府の高校入試では、2013年までは理数科や文理学科など特定の学科を除き「学区制」というものが長らく導入されていました。

学区制とは

たとえば大阪市に住んでいると、大阪市が含まれる学区域内の公立高校にしか行けないというものです。

簡単に、学区制の歴史をご紹介します。

1950年~1962年:13学区制

1963年~1972年:5学区制

1973年~2006年:9学区制

2007年~2013年:4学区制

KEN
KEN
文理学科設置校は、9学区制時代の各学区のトップ校に豊中高校を加えた10校になります。
なぜ、豊中高校は学区トップ校じゃないのに文理学科設置校なの?

豊中高校は北野高校と同じ学区にありながら、5学区時代には茨木高校よりも優れた進学実績をあげていました。

1975年には、京都大学の合格者数を北野・大阪大学の合格者数を豊中がそれぞれ全国1位を飾り、「京大の北野・阪大の豊中」と言われていました。

北野高校と豊中高校
【校風や進学実績】旧第1学区・北野高校と豊中高校についてこんにちは! KEN(@nomilenolife)です。 本ブログでは、受験や進学に関する情報および人生に付加価値を与えるよ...

その後、9学区制になり学区が細分化されたことで、北野高校や天王寺高校に最優秀層が集中することはなくなりました。

その一方で、四條畷高校や生野高校などが新たな学区のトップ校になり、学力の高い学生が分散していたことから、東大や京大への合格実績も各校で競い合うような状態が続いていました。

KEN
KEN
この期間のあいだに、豊中と茨木は序列が逆転してしまったそうです。

そして、2014年から大阪府内のすべての高校で学区制が廃止され、好きな高校を受験できるようになりました。

参考までに、2014年と2020年の難関国立大学合格実績の増減を見てみましょう。

難関大合格実績の増減
高校 増減
天王寺 43
北野 26
豊中 25
高津 21
茨木 20
大手前 6
四條畷 -4
生野 -9
三国丘 -16
岸和田 -24

増減を見ると、天王寺や豊中など実績を伸ばしている高校がある一方、三国丘や岸和田では合格実績が減少しており、高校によって明暗が分かれる結果となりました。

文理学科設置校の「偏差値」と「大学合格者数の増減」の決定係数は0.32と、学校の難易度と合格実績の増減に相関は見られませんでした。

偏差値と大学合格者数増減の関係

このことから、文理学科の導入学区撤廃により、進学校の序列化が進み、各学区に散在していた学力層が以下のように集約されつつあるのではないかと考えられます。

・京大合格を狙える学力層
→北野高校や天王寺高校などに進学

・阪大・神戸大などを狙える学力層
→豊中高校や大手前高校などに進学

学区も撤廃され、かつ少子化で学校の統廃合が進む中で、高校の運営も「弱肉強食の世界」になりつつあるのでしょうね。

KEN
KEN
北野高校が難しくなりすぎたことで、同じ北摂地域にある茨木・豊中は連動して難易度が上昇傾向にあるみたいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、大阪府内の公立進学校である「文理学科設置校」の歴史的背景や大学合格実績について考察してきました。

その結果、学区撤廃により南北を代表する2校は存在感を強めた一方、その他8校については高校によって明暗が分かれることがわかりました。

もちろん、どの高校に進学してもその後の頑張り次第で大学入試の結果はひっくり返すことができます。

しかし、〇〇大学へ行きたければどの高校が良いかなどに関しては、ある程度の目安になるのではないでしょうか。

2021年以降は、すべての文理学科設置校が「文理学科一本化」による合格実績になります。(浪人生を除く)

今後も2強体制がますます強まるのか、はたまた他の8校が「文理学科」の意地を見せて追随していくのか、その動向に注目ですね。

KEN
KEN
本記事を読んでくださったあなたが、納得のいく進路実現をされることを祈ります。