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KEN(@nomilenolife)です。
本ブログでは、受験や進学に関する情報および人生に付加価値を与えるような情報を、「受験・+More」というカテゴリーの記事でご紹介しています。
東大・京大をはじめとする難関国立大学の受験では、志望大学の形式や傾向に沿った模試(大学別模試)があります。
本記事では、河合塾が実施する難関国立大学の「オープン模試」を受験する学生の多い高校を紹介します。
また、入試本番の合格者数と照合し、合格率を分析することで、大学別模試の「判定精度」や「母集団の質」を調査したいと思います。
大学別模試とは?
大学別模試とは、主に難関大学を志願する受験生向けに、各大手予備校が各難関大学の入試問題と同形式の問題を出願する模試になります。
大学別模試を実施する主な予備校は以下の通りです。
駿台予備校
河合塾
代々木ゼミナール
東進衛星予備校
大学別模試は「冠模試」とも言われ、国立大学であれば旧帝大や東工大・一橋大など有名大学が実施対象となっています。
このような大学別模試が実施される理由は以下の通りです。
難関大学を受験する場合、一般的な記述模試では問題が易しくて差がつかず、判定の精度が落ちることがあります。
難関大学の入試問題は各大学によって傾向や形式が異なるので、自身が行きたい大学の入試問題を知ることはとても大切です。
難関大学を志願する人たちの中での現時点での自身の実力を知り、相対的な立ち位置や弱点などを把握します。
また、大学別模試は大半が秋口に実施されます。
秋口以降の大学別模試は、以下の理由からそれなりに信頼できる判定を知ることができます。
その大学を志望する受験生が多く受けるため
夏までの模試に比べ、受験生の成績ダービーも終盤を迎えるため
大学別模試の判定制度
大学別模試の判定精度は、どのくらいなのでしょうか。
2019年秋に実施された河合塾の「オープン模試」における、各大学の判定ごとの合格率を図表で紹介します。
A判定

河合塾のオープン模試でA判定だった場合、合格率は80~85%ほどであり、ほぼ合格圏に到達していることがわかります。
しかし、入試本番の緊張感などによっては、A判定でも不合格になることもあるので注意が必要です。
B判定

河合塾のオープン模試でB判定だった場合、合格率は50~60%ほどであり、五分五分~やや合格圏であることがわかります。
入試本番までまだ時間があるため、努力次第で合格を掴み取ることは十分可能な範囲ではないでしょうか。
C判定

河合塾のオープン模試でC判定だった場合、合格率は45%前後であり、やや厳しい状況であることがわかります。
この時点で半分以上は不合格になる可能性が高いため、学習方法や時間配分を見直すなどの対策が必要と考えられます。
これらの結果から、河合塾の大学別模試における判定ごとの合格率は以下の通りです。
A判定:80~85%
B判定:50~60%
C判定:40~50%
大学別模試の受験者数と入試本番の合格率
河合塾が実施する大学別模試の判定は、それなりに信頼できる精度であることがわかりました。
このように、判定が信頼できる「オープン模試」の母集団は、どのような受験生で構成されているのでしょうか。
そこで、河合塾が2020年夏・秋に実施した各大学のオープン模試から、受験者数の多い高校と2021年春の入試本番における合格率をご紹介します。
東大・京大・名大の合格率は、第1回と第2回の受験者数の平均値に対する割合としています。
東京大学

東大入試オープンは、東大合格者数で毎年首位にランクインする「開成高校」が、平均300名の受験者数で最多でした。
また、開成高校の東大模試受験者数に対する入試本番における合格率は5割未満となっており、模試と比較しても東大入試のハードルは高そうです。
そのほか、関西にある西大和学園の受験者数について、本記事をご覧くださった西大和学園の高校3年生の方から、2022年1月に下記の情報提供がありました。
西大和学園では、2020年度の第2回東大入試オープンを、高校2年生全員に受験させたため、第2回の受験者数が多くなっています。
京都大学

京大入試オープンは、京都の「洛南高校」が平均200名弱の受験者数で最多となりました。
そのほか、大阪桐蔭や公立トップの北野などからも多数受験していますが、多くの高校で京大模試受験者に対する合格率は4割程度となっています。
また、北野高校の京大模試受験者数は、第2回が圧倒的に多いのが特徴的です。
これは、公立高校は学習進度が中高一貫の私立より遅いため、第1回の模試では入試対策が不十分な受験生が多いためではないでしょうか。
北海道大学

北大入試オープンは、地元の「札幌北高校」が180名の受験でトップとなりました。
そのほか、道内の進学校からの受験者が多いですが、各校の合格率は全体的にはさほど高くありませんでした。
これは、北大模試の特徴として道外の進学校からも多数の受験者がいることです。
東海高校:25名
小松高校:25名
富山高校:23名
刈谷高校:21名
近年の北海道大学では、合格者の道内占有率が3割程度となっており、道内の受験生にとって狭き門となっています。

東北大学

東北大入試オープンは、地元の「仙台第二高校」が200名弱の受験で最多となりました。
そのほか、東北地方の公立進学校が多数受験していますが、多くの高校で合格率は3.5割前後になりました。
これは、入試本番では県立浦和など首都圏の進学校からも数多くの合格者が輩出されることも関係してそうです。
名古屋大学

名大入試オープンは、地元の「刈谷高校」が平均213名の受験で最多となりました。
そのほか、東海圏の公立進学校からの受験者が多いですが、高校によって合格率にはバラつきがありました。
また、岐阜県トップの「岐阜高校」は合格率が5割未満であり、旧帝大の壁は高そうです。

大阪大学

阪大入試オープンは、大阪南部の「天王寺高校」が121名の受験で最多となりました。
そのほか、大阪の公立進学校である「文理学科設置校」などからの受験が多いですが、合格率は5割前後でした。

九州大学

九大入試オープンは、福岡の名門「修猷館高校」が163名の受験で最多となりました。
全体的に九大模試受験者数に対する合格率は高く、筑紫丘高校は9割弱と驚異的な合格率となっています。
神戸大学

神戸大入試オープンは、地元兵庫の「長田高校」が98名の受験でトップとなりました。
しかし、受験生が京都大学や大阪大学に分散するため、受験者数は少ないのが特徴です。
そのほか、阪大模試と同様に、合格率は高校によって差が大きい結果となりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、河合塾が実施する「大学別オープン模試」において、判定の精度や受験者の多い高校から母集団の質を調査してきました。
その結果、以下のことがわかりました。
大学別模試の判定は精度が高く信頼できる
進学校からの受験者が多く、母集団の質は高い
翌春の入試結果と照合すると、合格率は差がある
模試でA判定であっても、入試本番ではおよそ5人に1人が不合格となります。
このような現状を踏まえ、模試の判定に一喜一憂せず、合格を目指して淡々と勉強しましょう!