こんにちは!
KEN(@nomilenolife)です。
本ブログでは、就職や企業に関する現実を包み隠さず発信し、学生などに有益な情報を提供すべく、「就活・仕事」というカテゴリーで様々な記事をご紹介しています。
噂で耳にしたことがある方も多いと思いますが、JR各社の総合職採用ではリクルーター面談というものがあります。
リクルーター面談は、表向きには公表されていないにもかかわらず、水面下で進んでいくため戸惑う学生も多いと思います。
実際にJR総合職に内定した友人に話を伺い、リクルーター面談の体験談をご紹介します。
リクルーターとは?
会社にもよりますが、JRの総合職採用におけるリクルーターは職種によって以下のような特徴があります。
【建築・土木や電気・機械など技術系職種】
ある程度採用大学を絞り、出身大学の学部学科単位でリクルーターが構成されます。「東大・京大から5名ずつ、他旧帝大から1~2名ずつ」というように大学ごとに採用人数の枠が目安で決められていることが多いです。
【運輸・事務など対象学科が不問の職種】
学部学科単位での採用はできないため、OB社員に関係なく系統内でリクルーターが構成され、各大学に優秀な学生がいるとコンタクトを取ります。大学ごとの枠というものは存在せず、自身の学歴やエントリーシートの内容次第でリクルーターがつくかどうかが決まります。
リクルーターはこのような感じで、採用活動の時期になると対象とする大学の教授などにアポを取り、採用担当として学内の会社説明会などへやってきます。
こうした採用担当の社員は、就職活動の解禁前にはリクルーターということは伏せられていますが、後々のリクルーターである可能性が非常に高いです。
リクルーターの特徴としては、入社3~5年目くらいの若手社員が担当することが多く、年齢も近いため気軽に話しやすい傾向にあります。
また、採用活動時に学生から会社へ良い印象を持ってもらうために、爽やかで好感の持てる社員がリクルーターに抜擢されることが多いです。
このようなリクルーターにより、学生は説明会の参加回数や質疑応答での様子などチェックされており、見えないところで評価されているのです。
JR総合職採用の選考フロー
JR総合職採用の選考フローは、会社にもよりますがおおむね以下の通りです。
①インターンシップ・会社説明会
②エントリーシート提出
③リクルーター面談(2~3回)
④本社面接(1~2回)
⑤内定
※系統や出身大学によって多少前後する場合があります。
JRほどの大企業であればもちろん経団連に所属しているため、面接が解禁される時期があらかじめ指定されており、その時期までは本来面接をすることはできません。
そのため、内定した友人はリクルーターの社員に以下のように言われたそうです。
内定者として学内の会社説明会に参加するときは、学生にリクルーター面談について質問されても、やっていないと言ってください。
しかし、JRの採用ではリクルーター面談は都市伝説ではなく、きちんと現実社会に実在します。
学部学科や応募する系統にもよりますが、説明会が解禁する時期にはすでにリクルーター面談がはじまっているところもあるのです。
友人の場合、エントリーシートを出して数日後に、以下のような誘い文句で連絡があり、日時と場所を指定されたそうです。
会社の業務内容についてより具体的に理解を深めていただきたいので、どこかでお茶でも飲みながら話しませんか?
社員が労働時間を割いて学生に個別に接触しているため、ただのお茶なわけがありません。
この時点から選考は始まっており水面下では評価されているので、学生は気を引き締めて臨む必要があります。
面談場所は、本州のJR各社では新宿や名古屋・大阪など主要駅付近のカフェになることが多いです。
なお、北大や九大など遠方の学生で都市圏へ行くのが難しい場合、リクルーター担当の社員が札幌や福岡に来て面談をしてくれるのでご安心ください。
リクルーターの評価が良いと、数日~1週間以内にまた電話が来ます。
友人の場合は、以下のようなことを言われ、再び日時と場所が指定されたそうです。
先日はありがとうございました。次は入社7~10年目くらいの中堅社員に会ってもらい、より詳しい業務内容についてお話しませんか?
リクルーター面談を突破できなかった場合、その後連絡が来ることはなく音信不通になります。
若手・中堅社員とのリクルーター面談を突破すると、次に本社の課長クラスの人と面談が設定されます。
本社の課長クラス以上の人は採用権限を持っているため、内定をもらうまでの過程のうち最大の山場とも言えるでしょう。
ここで良い評価をもらえると、部長クラスの人との面談が待っています。
この部長面談を突破すると、系統によっては推薦状を提出し、面接解禁後に意思確認の面接に行くことになります。
ここでいう推薦状とは、他社でよくある直接的な推薦応募とは異なり、後付けで提出させることで学生が他社へ流出して内定を辞退されるのを防ぐためのものです。
評価に疑問が残る学生は、面接中に嫌みのような質問がきたり、課長・部長クラスとの面談後に再びリクルーター面談が実施されたりして、さらに面接回数が増えていくみたいです。
リクルーター面談の内容
こればかりはリクルーターを担当する社員の人柄にもよりますが、JR東海は特に圧迫面接で有名です。
これは、ストレス耐性を見るためにわざと圧迫面接をすることで、緊急時の所作をチェックしているそうです。
これは採用担当者にもよりますが、基本的には学生時代に頑張ったことや志望動機などオーソドックスなことを中心に聞かれます。
しかし、人によってはかなり意地悪な質問をされることもあるそうです。
・そもそもなんで働こうと思ったの?(JR東日本・本社面接)
・なぜ旧帝大出身なのに総合職で受けない?あなたは向上心がない。(JR東海・リクルーター面談)
1つ目の質問をされた方は、答えに詰まってしまい不合格を確信したそうです。
2つ目の質問をされた方は女性で、転勤を避けて総合職ではなく現業職への応募を考えていたそうです。
リクルーター面談突破のポイント
JR各社の総合職採用における評価基準としてまず重要視されているのが、チームワークです。
なぜかというと、鉄道会社は乗務員から駅員・工務関係まであらゆる部門に膨大な数の社員がいて、つねに集団で仕事をしないといけないからです。
特に日本の鉄道は時間にうるさく、1分1秒でも遅延すると利用者からクレームが来るため、「旧態依然・上意下達」の軍隊のような統制で厳しく管理されています。
そのため、和を乱すおそれのある独創性やクリエイティブな視点・発想ができる人材よりも、個性はないけど周囲の人間と協調して円滑に物事を前に進めていける人材が求められます。
JR東海の柘植元社長が好きな言葉は「10人の一歩は1人の10歩に勝る。」という言葉だそうです。
上記のような社風および価値観の人間がJR各社では大半を占めているので、リクルーター面談で「学生時代に頑張ったこと」を聞かれたら以下のような話題がおすすめです。
・周囲を巻き込んで何かを成し遂げた経験
・組織でリーダーシップを発揮した経験
上記の内容を、自分なりに頭の中で一つのストーリーのように整理し、理路整然と質疑応答に対応できる状態にしておいたほうが良いでしょう。
また、会社には多種多様な人材が必要なため、全員が体育会系ということはなく、少数派ではありますが頭脳派・知性派の社員ももちろんいます。
万が一、面接で頭脳派・知性派の社員が登場した場合に備えて、「なぜJR他社および私鉄各社ではなく、JR東日本(JR西日本)を志望するのか」についても論理的に説明できるようにしておきましょう。
①毎年発刊されるため、情報が新しい。
②業界全体の動向だけでなく、JR・私鉄各社の動きがわかる。
③経営・ビジネスの視点から鉄道について知ることができる。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、実際にJR総合職に内定した友人にインタビューをし、リクルーター面談の体験談をご紹介してきました。
JRは知名度も抜群で就職戦線で毎年高い人気を誇りますが、このような選考フローは本当に誠実かつ公正なやり方なのかと聞かれたら、疑問に感じてしまいますね。
しかし、世の中JRだけが企業ではありません。ましてや、日本が世界の中心でもありません。
せっかくJR各社へ総合職採用で入社できるくらいのポテンシャルがある方々は、どうせなら広くいろいろな世界を見たうえで、本当にJRに入社したいかを考えてみてください!
ひとえに「鉄道が好きだからJRに入りたい」という学生は会社にとっては迷惑なので総合職採用ではすぐ落ちます。
あくまで会社は、経営に関わる人材を探しています。
そのため、「鉄道好きの方はお客様としてご利用ください」という考えの場合が多いからです。
また、憧れだけで入社すると、現実とのギャップに苦しんでしまう可能性もあります。
選考過程では、「鉄道好き」というお話は多少オブラートに包んでいたほうが良いでしょう。