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KEN(@nomilenolife)です。
本ブログでは、受験や進学に関する情報および人生に付加価値を与えるような情報を、「受験・+More」というカテゴリーの記事でご紹介しています。
私が在籍していた北海道大学では、2011年より「総合入試制度」が導入されています。
本記事では、北海道大学の総合文系および文系学部(文・教育・法・経済)について、10ヵ年分(2011年~2020年)の入試データをもとに、センター試験や2次試験で具体的に何点とれると合格できるのかを分析していきたいと思います。

北大文系学部の入試制度
現行の大学入試で北大に入学したい場合、「センター試験」と「2次試験」の合計点が高い順に合否が決まります。
単純な合計点ではなく、センター試験が4割、2次試験が6割という配分になっています。
センター試験が総合点の4割を占めるのは、旧帝大では高いほうになります。
センター試験
センター試験は、全受験生が共通の問題を解くマークシート形式の試験で、教科書で習うような基礎的な知識をきちんと理解しているかが問われます。
センター試験は900点満点ですが、北大文系学部の場合、以下のように300点満点に圧縮されます。
数学 | 英語 | 国語 | 理科 | 地歴公民 | 合計 |
60 | 60 | 60 | 40 | 80 | 300 |
2次試験
2次試験は、思考力や論理的に解答を導出する力が問われる記述式の筆記試験です。
センター試験と異なり、2次試験は大学によって日程や試験時間が異なります。
北海道大学文系学部の場合、2次試験は以下の3科目が1日で実施されます。
数学・地歴:90分
英語:90分
国語:120分
また、学部によって以下のように配点が異なっています。
学部 | 数学 | 地歴 | 国語 | 英語 | 合計 |
総合文系 | 150 | 150 | 150 | 150 | 450 |
文学部 | 150 | 150 | 150 | 150 | 450 |
教育学部 | 150 | ― | 150 | 150 | 450 |
法学部 | 150 | ― | 150 | 150 | 450 |
経済学部 | 150 | ― | 150 | 150 | 450 |
(※赤字の項目は各学部の必須科目で、総合文系・文学部は数学または地歴の1科目を受験します。)
このように、受験科目を見ると総合文系では数学を受験せずに法学部・経済学部などへ移行することも可能です。
旧帝国大学の法学部や経済学部で学びたい場合、本来であれば数学の受験を避けて通ることはできません。
そのため、数学がどうしても苦手という方には、北海道大学の総合文系は穴場となっていますので、選択肢の一つとしておすすめです!

10ヵ年分の入試データ
ここからは、文系学部の10ヵ年分(2011年~2020年)の入試結果を分析していきましょう。
まず、学部別の合格最高点・合格最低点・平均点(総合点)・平均点(センター素点)を以下に掲載します。
最低点と平均点は、それぞれ以下のようにして算出されています。
【最低点、平均点(総合点)】
センター試験を圧縮した300点と2次試験450点の計750点満点
【平均点(センター素点)】
圧縮なしの900点満点
2011年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 583.94 | 505.98 | 528.95 | 710.32 |
文学部 | 641.62 | 510.06 | 536.67 | 721.81 |
教育学部 | 586.76 | 478.36 | 506.05 | 699.5 |
法学部 | 650.32 | 501.22 | 538.83 | 731.69 |
経済学部 | 598.74 | 497.3 | 524.56 | 708.32 |
2012年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 619.92 | 483.58 | 516.6 | 716.17 |
文学部 | 616.14 | 506.14 | 537.21 | 731.21 |
教育学部 | 590.24 | 517.76 | 547.18 | 725.6 |
法学部 | 632.76 | 519.56 | 547.42 | 733.52 |
経済学部 | 609.74 | 514.42 | 540.16 | 715.31 |
2013年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 592.1 | 474.66 | 501.98 | 699.41 |
文学部 | 620 | 472.68 | 505.74 | 701.9 |
教育学部 | 534.28 | 471.7 | 491.65 | 686.35 |
法学部 | 606.86 | 451.22 | 498.76 | 700.76 |
経済学部 | 583.64 | 458.98 | 490.57 | 684.91 |
2014年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 593.46 | 481.26 | 510.57 | 689.05 |
文学部 | 601.54 | 483.1 | 518.45 | 703.49 |
教育学部 | 588 | 484.68 | 527.53 | 694.66 |
法学部 | 585.84 | 477.26 | 511.04 | 695.21 |
経済学部 | 594.88 | 474.24 | 510.62 | 684.83 |
2015年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 602.84 | 486.86 | 522.39 | 692.8 |
文学部 | 612.8 | 501.04 | 529.21 | 699.15 |
教育学部 | 547.4 | 466.06 | 496.62 | 691.5 |
法学部 | 596.66 | 457.48 | 501.44 | 700.93 |
経済学部 | 570.34 | 472.64 | 502.18 | 684.18 |
2016年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 606.5 | 499.82 | 523.81 | 702.9 |
文学部 | 582.58 | 502.34 | 527.41 | 710.85 |
教育学部 | 556.26 | 483.24 | 508.77 | 710.15 |
法学部 | 617.34 | 473.46 | 504.34 | 702 |
経済学部 | 585.22 | 478.84 | 506.41 | 693.11 |
2017年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 566.3 | 494.22 | 515.28 | 719.05 |
文学部 | 606.76 | 496.9 | 526.97 | 733.92 |
教育学部 | 579 | 510.9 | 546.05 | 729.9 |
法学部 | 615.32 | 482.28 | 523.37 | 723.93 |
経済学部 | 607.92 | 485.86 | 521.21 | 713.65 |
2018年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 612.68 | 505.26 | 527.87 | 719.55 |
文学部 | 601.76 | 502 | 533.85 | 727.57 |
教育学部 | 584.22 | 481.02 | 512.09 | 711.18 |
法学部 | 593.38 | 501.34 | 531.62 | 717.03 |
経済学部 | 625.24 | 502.36 | 531.42 | 711.99 |
2019年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 629.4 | 510.38 | 538.41 | 717.42 |
文学部 | 632.38 | 516.8 | 540.84 | 741.72 |
教育学部 | 568.94 | 496.2 | 522.18 | 724.24 |
法学部 | 602.82 | 499.08 | 528.12 | 730.86 |
経済学部 | 612.76 | 494.42 | 530.03 | 729.29 |
2020年
学部 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
総合文系 | 629.68 | 534.36 | 556.8 | 727.3 |
文学部 | 668.34 | 525.36 | 556.31 | 733.72 |
教育学部 | 574.96 | 487.38 | 525.35 | 711.92 |
法学部 | 639.94 | 496.22 | 539.15 | 724.77 |
経済学部 | 602.72 | 504.26 | 535.65 | 711.95 |
図表で可視化
次に、上記のデータを箱ひげ図で可視化していきましょう。
箱ひげ図とは、最大値・最小値・四分位数の情報を表現したグラフのことで、以下のようなメリットがあります。
・データの分布を簡単かつ視覚的に把握することができる。
・極値による平均値のズレを補正し、得点分布内の中央値を知れる。
合格最高点

合格最低点

平均点(総合点)

平均点(センター素点)

合格するための具体的な点数を分析
続いて、センター試験や2次試験で具体的に何点ほど得点できると合格できるのかについて分析していきます。
自身がどちらで得点を稼ぎやすいタイプなのかを分析し、能力や適性に合わせた受験対策を考えることが大切です。
センター試験
前章の図表から読み取れることをまとめてみましょう。
【総合文系】
平均点(センター素点)の中央値は713.25点で、約79%の得点率となりました。センター試験では80%前後の得点が目安となる一方、2017年以降は合格最低点が上昇しているため、注意が必要です。
【文学部】
平均点(センター素点)の中央値は724.69点で、文系学部の中で最も高い得点率となりました。このことから、北海道大学文学部では旧帝大出願の目安にもなる80%以上の得点率を目標とすると良いでしょう。
【教育学部】
平均点(センター素点)の中央値は710.665点で、ほかの学部と比べてやや低い得点率となりました。このことから、教育学部は文学部や法学部などに比べてやや狙いやすい学部なのではないでしょうか。
【法学部】
平均点(センター素点)の中央値は720.48点で、文学部に次いで高い得点率となりました。近年法学部は人気が減少傾向にありますが、依然として80%程度の得点率が必要なため、それなりに勉強しないといけません。
【経済学部】
平均点(センター素点)の中央値は710.135点で、文系学部の中で最も低い得点率となりました。経済学部の主な就職先は、商社や金融など多岐にわたるため、コストパフォーマンスの良い学部ではないでしょうか。
2次試験
前章の図表から、おおむね総合点で520点を得点できれば、合格点に到達できることがわかります。
そこで、センター試験の点数ごとに、合格点を520点としたときに必要となってくる2次試験の点数をまとめてみました。

センター試験の得点(傾斜後) | 得点率 | 合格点を520点としたときに 2次試験で必要になる点数 |
得点率 |
210点 | 70.0% | 310点 | 68.9% |
220点 | 73.3% | 300点 | 66.7% |
230点 | 76.7% | 290点 | 64.4% |
240点 | 80.0% | 280点 | 62.2% |
表を見ると、センター試験の点数にもよりますが、2次試験では6割以上の得点率が合格への目安となるということがわかります。
①直近数年分の過去問が載っており、大学ごとの傾向をつかめる。
②志望校合格に向けて、モチベーションアップにつながる。
③合格者の声などが掲載されており、読み物としても面白い。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、北海道大学の文系学部について、10ヵ年分(2011年~2020年)の入試データをもとに、センター試験や2次試験で具体的に何点とれると合格できるのかを分析してきました。
北海道大学の文系学部では、理系学部と異なり以下の選択をすることができます。
・総合入試文系で受験し、入学後に学部を決める。
・最初から行きたい学部の入試で受験する。
また、総合入試文系であれば「2次試験で数学を受験せずに法・経済などへ移行」ができます。
そのため、ご自身の得意・不得意などに合わせて、受験パターンを検討してみてください。