こんにちは!
KEN(@nomilenolife)です。
本ブログでは、受験や進学に関する情報および人生に付加価値を与えるような情報を、「受験・+More」というカテゴリーの記事でご紹介しています。
私が在籍していた北海道大学では、2011年より「総合入試制度」が導入されました。
本記事では、北海道大学の総合理系について、10ヵ年分(2011年~2020年)の入試データをもとに、センター試験や2次試験で具体的に何点とれると合格できるのかを分析していきたいと思います。

総合理系とは?
総合理系とは、北海道大学の理系学部(理・工・農・薬など)の学生を前期日程で一括募集し、2年次以降専門のコースへ振り分ける入試制度のことです。
他の大学であれば、入学時に学部を決めて受験する大学がほとんどだと思いますが、総合理系では大学入学時に学部を決めなくても良いというのが最大の特徴です。
また、総合理系には、自身の得意科目を活かしたり、苦手科目の配点を小さくしたりすることができる「選抜群」という制度があります。
具体的には、以下の5つの選抜群があります。
①数学重点
②物理重点
③化学重点
④生物重点
⑤総合科学

10ヵ年分の入試データ
ここからは、総合理系の選抜群の10ヵ年分(2011年~2020年)の入試結果を分析していきましょう。
まず、選抜群別の合格最高点・合格最低点・平均点(総合点)・平均点(センター素点)を以下に掲載します。
最低点と平均点は、それぞれ以下のようにして算出されています。
【最低点、平均点(総合点)】
センター試験を圧縮した300点と2次試験450点の計750点満点
【平均点(センター素点)】
圧縮なしの900点満点
2011年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 617.85 | 452.62 | 495.11 | 691.19 |
物理重点 | 682.28 | 490.62 | 524.45 | 705.69 |
化学重点 | 617.84 | 478.96 | 517.39 | 715.14 |
生物重点 | 622.74 | 477.8 | 522.1 | 726.2 |
総合科学 | 636.64 | 466.08 | 512.58 | 721.67 |
2012年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 607.65 | 464.27 | 506.78 | 721.85 |
物理重点 | 641.98 | 491.12 | 528.62 | 729.55 |
化学重点 | 633.86 | 494.1 | 528.92 | 730.08 |
生物重点 | 613.34 | 481.5 | 520.11 | 739.18 |
総合科学 | 642.41 | 500.08 | 536.54 | 748.56 |
2013年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 647.78 | 481.83 | 522.16 | 692.44 |
物理重点 | 633.74 | 488.92 | 524.02 | 702.08 |
化学重点 | 638.2 | 478.26 | 516.15 | 703.2 |
生物重点 | 566.76 | 466.94 | 499.76 | 708.63 |
総合科学 | 608.57 | 486.64 | 525.87 | 713.11 |
2014年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 597.65 | 476.15 | 515.35 | 704.67 |
物理重点 | 618.12 | 477.48 | 512.7 | 718.51 |
化学重点 | 605.54 | 492.62 | 524.7 | 720.43 |
生物重点 | 600.04 | 481.32 | 520.95 | 717.75 |
総合科学 | 655.73 | 481.4 | 521.9 | 727.37 |
2015年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 670.55 | 519.23 | 548.64 | 711 |
物理重点 | 662.82 | 518.06 | 554.4 | 729.22 |
化学重点 | 650.5 | 516.18 | 551.7 | 731.7 |
生物重点 | 639.68 | 502.88 | 540.49 | 724.68 |
総合科学 | 677.9 | 490.53 | 540.84 | 733.29 |
2016年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 609.95 | 445.87 | 491.47 | 702.65 |
物理重点 | 618.72 | 477.1 | 511.28 | 719.83 |
化学重点 | 610.32 | 476.1 | 513.65 | 721.22 |
生物重点 | 618.74 | 469.94 | 506.41 | 722.23 |
総合科学 | 607.25 | 464.85 | 501.95 | 734.79 |
2017年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 623.51 | 481.23 | 516.23 | 704.87 |
物理重点 | 611.34 | 480.82 | 516.21 | 717.76 |
化学重点 | 607.78 | 474.78 | 514.45 | 722.53 |
生物重点 | 652.24 | 487.6 | 522.12 | 731.19 |
総合科学 | 631.61 | 492.77 | 531.18 | 743.14 |
2018年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 580.91 | 482.8 | 511.77 | 702.43 |
物理重点 | 624.32 | 486.88 | 522.97 | 716.41 |
化学重点 | 631.48 | 494.82 | 528.3 | 720.09 |
生物重点 | 628.44 | 485.22 | 521.35 | 723.22 |
総合科学 | 632.6 | 490.5 | 530.89 | 731.83 |
2019年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 654.79 | 480.78 | 517.05 | 717.42 |
物理重点 | 607.7 | 475.86 | 511.3 | 733.48 |
化学重点 | 606.14 | 469.6 | 506.82 | 734.44 |
生物重点 | 610.56 | 477.38 | 516.77 | 740.49 |
総合科学 | 612.9 | 473.6 | 511.69 | 747.65 |
2020年
選抜群 | 合格最高点 | 合格最低点 | 平均点(総合点) | 平均点(センター素点) |
数学重点 | 605.96 | 467.71 | 505.04 | 699.05 |
物理重点 | 642.78 | 502.78 | 536.13 | 720.81 |
化学重点 | 623.42 | 485.2 | 519.56 | 721.81 |
生物重点 | 606.34 | 481.02 | 516.69 | 723.89 |
総合科学 | 637.66 | 490.37 | 532.84 | 737.09 |
図表で可視化
次に、上記のデータを箱ひげ図で可視化していきましょう。
箱ひげ図とは、最大値・最小値・四分位数の情報を表現したグラフのことで、以下のようなメリットがあります。
・データの分布を簡単かつ視覚的に把握することができる。
・極値による平均値のズレを補正し、得点分布内の中央値を知れる。
合格最高点

合格最低点

平均点(総合点)

平均点(センター素点)

合格するための具体的な点数を分析
続いて、センター試験や2次試験で具体的に何点ほど得点できると合格できるのかについて分析していきます。
自身がどちらで得点を稼ぎやすいタイプなのかを分析し、能力や適性に合わせた受験対策を考えることが大切です。
センター試験
センター試験は、全受験生が共通の問題を解く、マークシート形式の試験です。
教科書で習うような基礎的な知識をきちんと理解しているかを問われる、標準的な問題が多く出題されます。
前章の図表から読み取れることをまとめてみましょう。
【数学重点】
平均点(センター素点)の中央値は703.66点で、ほかの選抜群と比べて最も低い結果となりました。これは、2次試験のうち数学が占めるウェイトが大きい(200点の配点)ため、センター試験で思うような結果を取れなくても、得意な数学で一発逆転を狙う受験生が多いからではないでしょうか。
【物理・化学・生物重点】
平均点(センター素点)の中央値は727~730点でした。つまり、旧帝大理系学部のボーダーライン目安にもなる80%以上の得点率を目標とすると良いでしょう。
【総合科学】
平均点(センター素点)の中央値は734.04点で、ほかの選抜群と比べて最も高い結果となりました。総合科学を選択する受験生は、全科目満遍なく得点できる「オールラウンダー」が多いのではないでしょうか。
2次試験
2次試験は、教科書で習うことしか出題されないのはセンター試験と同じですが、思考力や複合的な知識・解法を駆使できるかを問うような記述式の問題が多く出題されます。
前章の図表から、おおむね総合点で500~520点を得点できれば、合格点に到達できることがわかります。
そこで、センター試験の点数ごとに、合格点を520点としたときに必要となってくる2次試験の点数をまとめてみました。

センター試験の得点(傾斜後) | 得点率 | 合格点を520点としたときに 2次試験で必要になる点数 |
得点率 |
210点 | 70.0% | 310点 | 68.9% |
220点 | 73.3% | 300点 | 66.7% |
230点 | 76.7% | 290点 | 64.4% |
240点 | 80.0% | 280点 | 62.2% |
250点 | 83.3% | 270点 | 60.0% |
表を見ると、センター試験の点数にもよりますが、2次試験では6割以上の得点率が合格への目安となるということがわかります。
①直近数年分の過去問が載っており、大学ごとの傾向をつかめる。
②志望校合格に向けて、モチベーションアップにつながる。
③合格者の声などが掲載されており、読み物としても面白い。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、北海道大学の総合理系について、10ヵ年分(2011年~2020年)の入試データをもとに、センター試験や2次試験で具体的に何点とれると合格できるのかを分析してきました。
しかし、20歳前後の重要な時期にしっかりと努力した経験は、その後も何かしらの形であなたの人生を助けてくれるはずです。
また、総合入試は北海道大学ならではの特徴であり、このような入試を取り入れる「開拓者精神」や、「実学の重視」といった大学の理念は個性的なものです。
そして何より、北大の理工系学部の卒業生には国内外で活躍する著名な卒業生が数多くいます。
・毛利衛さん(宇宙飛行士・理学部)
・石井裕さん(MIT教授・工学部)
北海道大学に興味のある方は、ぜひ門戸を叩いて実りある人生を開拓してください!