こんにちは!
KEN(@nomilenolife)です。
本ブログでは、鉄道・航空などの公共交通や、移動が快適になるサービスに関する情報などを、「旅行・出張」というカテゴリーの記事でご紹介しています。
2019年11月、ANAは「ボーイング777-200(722)」の機材を一部リニューアルし、国内線の大型機でもモニターで各種コンテンツを楽しめるようになりました。
エコノミークラスとプレミアムクラス両方の搭乗リポートをお届けします。
ボーイング777-200とは?
このような方もいらっしゃるかと思います。
ボーイング777-200は777シリーズの最初のモデルで、日本では全日本空輸が1995年12月、日本航空が1996年4月にそれぞれ導入・就航しています。
座席総数が多いことから、2階建てのジャンボジェットである「ボーイング747」が退役してからは、日本の主力幹線である「東京-大阪」「東京-札幌」「東京-福岡」などの輸送を担っています。
それでは早速、この「ボーイング777-200」の新仕様機について見ていきましょう!
いざ、搭乗!
それでは、早速機内を見ていきましょう。
エコノミークラス
はじめにご紹介するのは、エコノミークラスの普通席です。
このように、座席の目の前にモニターが完備されています。

離陸時に流れる歌舞伎の映像も、個々のモニターで映写されていました。

飛行中、このモニターでは以下のようなことができます。
・映画やビデオ、オーディオやブックなど各種コンテンツを楽しむ。
・USBポートで、スマートフォンや電子機器の充電をする。


また、各座席の下部(足元周辺)には、世界各国の形状に合わせたコンセントが設置されていました。

プレミアムクラス
次にご紹介するのは、プレミアムクラスです。
・ANA国内線の上位座席。
・値段設定はエコノミークラスより高い。
・ラウンジなど各種優待サービスを受けられる。
従来、ANAのボーイング777-200にはプレミアムクラスは21席ありました。
しかし、今回のリニューアルにより新仕様機のプレミアムクラスは28席へと増加しています。
リニューアルされたプレミアムクラスは、「仕切り」があるため、隣の人の動作や雑音が気にならない設計となっています。

また、足元はかなり広くなっており、175㎝の成人男性が足を伸ばしても余裕があります。

また、プレミアムクラスではモニター画面をリモコンで操作することができるようになっています。
具体的には、リモコンの上半分がタッチパネルのようになっており、こちらでモニター内に出てくるカーソルを操作することで、コンテンツを選択できるようになっています。

プレミアムクラスでは食事のサービスもあるため、とても充実した時間を過ごすことができました。


どちらの座席も、座席の目の前に設置されているモニターで様々なコンテンツを楽しんでいると、あっという間に目的地へ到着しました。
予約・購入方法
どの時間帯の便がボーイング777-200であるかは、公式サイトの予約・購入画面から確認することができます。
以下の写真を例に見ていきましょう。

こちらは、2019年12月5日の札幌-東京便のプレミアムクラスの予約・購入画面です。
フライト時刻の下に便名が書いてあり、その下に「772」「789」などの数字があります。
これが使用予定の機種を表しており、モニター付きのボーイング777-200は「722」という表記のものになります。
普通席の予約・購入画面でも同様の方法で確認できます。
また、使用機材は天候不良や運航側の都合で変更されることもあります。
今後のANAの経営戦略
最後に、このようなモニターつき新仕様機の登場を受け、ANAが狙う経営戦略について軽く考察したいと思います。
さきほども軽く触れましたが、今回の座席リニューアルによりプレミアムクラスは従来の21席から28席へ増加しています。
その一方で普通席は減少しており、1機材あたりの座席総数は減っています。
この事実から、ANAが選択と集中の経営戦略を重視していることがわかります。
一般的に、8割の普段それほど乗らない乗客のサービスを手厚くするより、頻繁に利用してくれる2割のお得意様に手厚いサービスを実施したほうが、効率よく利益をあげることができるといわれています。
つまり、エコノミークラスの単価が低い乗客の人数が減っても、プレミアムクラスの単価が高い乗客を優遇したほうが利益率も良いため、そのような戦略へとシフトしています。
ますます格差社会が広がりそうな構図ですが、企業はボランティア団体ではありません。
日本経済は、バブルが崩壊したあとに大きく復活することもなく、消費税増税や社会保障のひっ迫による課題を抱えています。
その一方、航空業界は世界中のエアラインが競合他社となります。
・世界最高峰のサービス品質を提供する「シンガポール航空」
・アライアンスに属さずに運営を行う「エミレーツ航空」
・エコノミークラスの快適さが素晴らしい「タイ航空」
このように、魅力ある海外エアライン勢との競争などに勝ち、投資に見合う価値を生み出し社会・株主へ還元して生き残ることが従来よりも難しい時代にあります。
そのような時代の中で、ANAがこのような経営戦略をとるのは以下のような理由が考えられます。
・日本国内の労働人口の減少により需要が減少していること
・地方の過疎化で都会への一極集中が進み、移動人口が減少していること
・新幹線とのシェア競合により輸送サービスの差別化がされていること
こうした背景から、これまでの日本社会のような「みんな同じ条件で大量輸送」という時代は一つの区切りを迎え、現在は「個々のニーズに合わせた多様な輸送」へと変化しゆく時代の過渡期にあるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、ANAのモニターつき新仕様機「ボーイング777-200(722)」の搭乗リポートをお届けしてきました。
実際に乗ってみたところ、これまで以上に機内でのサービス品質が向上し、快適かつ飽きない空間へと変わったように思います。
これからも、国内外を問わず快適な空の旅がいつまでも維持・発展していくことを祈っています。