こんにちは!
KEN(@nomilenolife)です。
本ブログでは、鉄道・航空などの公共交通や、移動が快適になるサービスに関する情報などを、「旅行・出張」というカテゴリーの記事でご紹介しています。
飛行機好きの友人とこのような話をしていた矢先、ANAが空港での空席待ちにおいて新たな施策を発表しました。
そこで、本記事ではますます広がりゆく上級顧客と一般顧客の違いについて考察していきたいと思います。
これまでの空席待ちについて
2020年3月までの空港での空席待ちは、以下のような流れで対応されていました。
①空席待ち受付カウンターへ行く
②整理券を発行する
③空席待ち種別と番号で呼び出し
種別については、以下のようにランク付けされていました。
種別 | ステータス |
S | ダイヤモンド |
A | プラチナ ブロンズ スーパーフライヤーズ(SFC) スターアライアンスゴールド スターアライアンスシルバー |
B | 一般 |
この種別を見ると、ANAのプラチナ会員とSFC会員は同等の扱いを受けていることがわかります。
しかし、プラチナ会員とSFC会員は、以下のような違いがあります。
【プラチナ会員】
前年に5万プレミアムポイントを達成(一年限りのステータス)
【SFC会員】
過去にプラチナ会員以上に到達し、対象クレジットカードを保持(半永久的なステータス)
つまり、毎年たくさん搭乗してプラチナ会員に到達する乗客と、過去にプラチナ会員以上に到達し、その後はそれほど搭乗していないがSFCカードを持っている乗客の特典が、ほぼ同列に扱われるという事態が発生していました。
序列化!これからの空席待ちカテゴリについて
そのような状況を改善するために、ANAは2020年4月より空港での空席待ちを以下のような仕組みに変更すると発表しました。
①自動チェックイン機で空席待ちカードを発行
②空席待ちカード発行後、保安検査場通過
③空席待ち呼び出し後、自動チェックイン機で搭乗手続き
このうち「空席待ち呼び出し」がより細分化されることになりました。
新たなカテゴリ分けを見てみましょう。

ご覧の通り、これまでよりも明確な序列で分けられていることがわかります。
なお、その他というのは、社割で搭乗できる内部社員などが該当すると考えられます。
社員が福利厚生で搭乗する場合、ドリンクサービスやマイルが貯まることなどはなく、客室乗務員も塩対応となります。
同一カテゴリ内に空席待ちの人が複数いる場合は、運賃種別によって優先順位が変わります。
Aさん:ANAダイヤモンド会員・ビジネスきっぷ
Bさん:ANAダイヤモンド会員・特典航空券
Cさん:ANAダイヤモンド会員・株主優待運賃
この場合、有償の航空券を購入しているのはAさんとCさんですが、積算率や販売価格の高い運賃種別が優先されるため、空席待ち呼び出しの優先順位は「Aさん>Cさん>Bさん」となります。
上級顧客が非常に多く、搭乗率の高い「羽田―伊丹」や「羽田―新千歳」などにおいては、このような待遇改善の恩恵を受ける方も多いのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、ANAの空港での空席待ちに関する変化についてご紹介してきました。
これまで、ANAのプラチナ会員とSFC会員には、ほとんど特典に差がありませんでした。
しかし、空港での空席待ちカテゴリの細分化は、国際線事前座席指定の有料化に続く上級顧客の待遇改善の一つであると考えられます。
そのほか、ANAでは以下のような事例においても、徐々に「選択と集中」の経営戦略を強化しているように感じます。
①国内線新仕様機「ボーイング777-200(722)」
→エコノミークラスの座席数を減らし、プレミアムクラスの座席数を増加
②国際線の新ファーストクラス・ビジネスクラス
→機内での時間を快適に過ごすことができるよう、最高品質の個室空間を提供
これらについては、本ブログでもご紹介していますので興味のある方はあわせてご覧ください。


ここ最近のANAは、コロナウイルスによる利用者の減少に伴い、減便や株価の大暴落など厳しい状況が相次いでいます。
しかし、厳しい状況になるほど、より単価の高い顧客を優遇して、効率的に利益を出さなければ会社は生きていけません。
こうした世の中の情勢に左右されることなく、いつの時代も空の世界を飛び続けることを目標に、これからも突き進んでいきたいと思います。